2019年10月29日、都内の女子大の講義「キャリアデザインを描く」に て、ソシア代表理事の甲野が ゲストスピーカーを務め、約120名の学生が受講しました。
発表のなかで甲野は、中学高校時代に南北問題と市民活動に関心を持ち大学へ進学したこと、ミャンマーでボランティア精神に触れてNGOソシアを在学中に立ち上げたこと、卒業後はソシアの活動と並行して他のNPOやNGO、JICAや財団等で働いてきたことを紹介しました。
また仕事と家事や子育て、ボランティア、研究活動などをどのように並行して行っているのかなど、仕事に限らないキャリアと価値観に加えて、働きすぎて体調を崩した経験や産後の仕事復帰の難しさ、子育ての辛さなど、働く女性が直面する課題や岐路についてもお話ししました。
発表の後の質疑応答では、受講生が積極的に手を挙げ、質問や感想をお話ししてくれました。身近な人の死や自身の体調不良など辛いことがたくさんあったのに朗らかに話しいることに驚いた、大変なことを乗り越えるコツは何か知りたい、といったコメントが寄せられました。
この度、川崎の無差別殺傷事件の犠牲となったミャンマー語スペシャリストの外交官、
小山智史さんの突然の訃報に際し、謹んで哀悼の意を表するとともに
ご家族のみなさまへ心よりお悔やみ申し上げます。
ソシア事務局メンバーの中には、小山さんとともにヤンゴンで
ミャンマー語を学んだ者もおります。
小山さんは、心からミャンマーを大切に想い、日々学ばれていました。
私たちソシアと具体的な活動をご一緒することはありませんでしたが、
日本の方たちにミャンマーの魅力を伝えたいという志を同じくする方の命を
失ったことに、ソシア事務局一同、深い悲しみを感じております。
私たちは、これからも日本とミャンマーの架け橋となって
それぞれの国の良いところを学び合い、双方の子どもたちの未来を応援する活動を
続けてまいります。
改めて、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ソシア事務局一同 2019.5.30
2018年10月11日(木)夜、東京・高田馬場のミャンマー料理レストラン・ルビーにて、『映画「僕の帰る場所」プロデューサー、NGOスタッフと語ろう!』をNPO法人日本・ミャンマーメディア協会と共催。約30名が来場し、スタッフ・ゲストを含めて約40名が集う、熱気溢れる会となりました。
冒頭、おいしいミャンマービールやソフトドリンクで乾杯した後、各スタッフの自己紹介とソシアについてお話ししました。
日本・ミャンマーメディア協会理事長の佐藤華子さんは「学生時代にアルバイト先で友だちになったミャンマー人が次々と強制送還されてしまって。それまで、在日外国人の置かれた環境を知らなかったのでショックだったんです。ミャンマーに会いに行くと、とても喜んでくれ、自分のことを大切に想ってくれたことが忘れられず、ミャンマー語を勉強し、今は主にミャンマー人向けにビザ手続きのお手伝いをする仕事をしています。その過程で、映画のミャンマー語監修をお手伝いすることになりました」と、ミャンマーと映画との出会いを語りました。ソシアのボランティア小池涼子さんは「学生時代にはフィリピンで1年間インターンをして、現地の子どもたちから、たくさん元気をもらいました。偶然、仕事で今後ミャンマーの工科大学と関わる予定もでき、映画を観て、ますます楽しみになっています!」と話しました。
続いて、ソシア代表の甲野から「メイキング映像上映会に参加し、ニュースにならない日常にフォーカスした映画のコンセプトが素晴らしいと思いました。多くの方に伝える価値があると考え、映画本編を観ていない状態で、すぐにイベントを企画したんです」と、開催主旨を伝えるとともに、2001年~2004年当時に撮影・編集したソシアの動画を上映しました。映画では触れられていないミャンマーの子どもたちのたくましさを伝えながら、甲野は「20年近くミャンマーに関わってきて、ニュースにならない人々の魅力、特にボランティア精神旺盛なところ、親日の方が多いことを知ってほしいと思って活動を続けてきました。ミャンマーから学ぶべきところ、日本との深いつながりを、もっと伝えていきたいです」と、ミャンマーへの想いを語りました。
おいしいミャンマー料理に舌鼓を打ちつつ、後半は、いよいよ映画スタッフによるお話し。サプライズゲストとして藤元明緒監督と俳優兼プロデューサーのキタガワユウキさんも駆けつけ、渡邉プロデューサーと3人で映画づくりを始めた経緯をインタビュー形式で語りました。
甲野(以下こ):ミャンマー盛り上がってるから、映画つくっちゃえば?と言われたことがきっかけと聞きました・・・
渡邉さん・キタガワさん(以下わ、キ):キタガワが某剛腕プロデューサーから勧められ、渡邉を誘ったことが発端です。渡邉は、ミャンマーについて調べていくうちに、ビジネス熱が盛り上がる影で、ミャンマーではどんな人々が、どう暮らし、何を食べて、何を考えているのか、多くの日本の人は知らない。でも、映像にすればその多くは移り変わるカットの連続の中で発見の連続になる、それには意味がある、と映画づくりを決意しました。
こ:とりあえず監督を募集したとか・・
わ・キ:そうです。初めての映画製作ということもあって、まずは。監督募集って、めずらしいので、かなり目立ちましたね。
こ:監督は、あやしいと思いませんでしたか?
藤元さん(以下ふ):思いましたけど、とにかく映画をつくりたかったので・・・。
こ:お二人は資金を持っていたのですか?
わ・キ:ないです。0円。ポケットマネーでミャンマーに取材へ行く費用はありました。
こ:どうして、その状況で映画づくりをすることになったのでしょう・・?
わ:同世代だったので、すごく意気投合した部分があって。当時三人とも20代後半でした。
こ:ところが、一回目の取材後、企画を落としたんですよね?
わ:そうです。当初、売春婦とストリートチルドレンと少年の話だったんですが、突き詰めていくと、とてもローカルなお話であり、僕たちが、ミャンマーで撮る意味がわからなくなって。
キ:僕、いったん企画が落ちたって知らなくて、その間もひとりでミャンマーについて調べていたんですよ。チームが解散してた時期があるって、つい数日前に知ったんです・・・
こ:そうなんですね!?その後、監督がリトルヤンゴンといわれる高田馬場を飲み歩くなかで、在日ミャンマー人の方と仲良くなり、モデルとなるご家族と出会ったと。
ふ:はい。カメラが趣味の方だったこともあり、すっと仲良くなりました。ほかにも出会う方は難民申請中の方がすごく多くて。入管へボランティアとして出入りしたりもしました。
こ:撮りたい家族の話がある、ミャンマーに行きたい、ということを渡邉さんに話したと聞きました。資金がないなかで、行っておいで、って言えた渡邉さんがすごいなと・・・
わ:映画つくったことがなかったので、お金のことはあんまりわかってませんでした。ただ、撮るべきことがあるなら、行くべきだと思ったんです。その後、個人協賛、企業協賛と借金で製作することになりました。
こ:なるほど・・・。いろいろありましたが、映画祭でたくさんの賞を受賞され、一般公開がはじまった先週末も満員御礼で、素晴らしいですね。では、会場から質問を受けたいと思います。
Q. ミャンマーでのシーンで、カウン君を街中の人たちが遠巻きに見ているのですが、あの方たちはエキストラですか?
A. いえ、一般の方です。カウン君は見た目がめずらしく日本人にも見えるので、目立ちますね。そういう自然な街中の反応を生かしました。
Q. 子どもたちの演技が本当にすごいのですが、どうやって演じてもらったんでしょうか?
A. 母親と子どもたちは実の親子ですがお父さん役は他人なので、撮影前に遊びに出かけたり撮影するアパートで過ごしてもらったりして、家族の関係性をつくることからはじめました。
Q. メッセージありきではなく、事実から物語をつむぐ、ということなんですが、実際の撮影は台本があったわけではないんですか?どうやって事実を撮影していったんでしょうか。
A. モデル家族の話をもとに台本をつくりました。ただ、プロパガンダにならないよう、問題を訴えるために説明を入れるのではなくて、家族の暮らしや気持ちに焦点をあてて製作しました。
●参加者の声
「とても楽しかったです!ソシアのビデオも2004年撮影とは、よく撮ってましたね。見られて良かったです。あと、ミャンマー料理がとても美味しかった&安くて良かったです。制作者の方から直接お話を伺える機会はそうそうないので(観に行った日も、遠慮してしまって話しかけられませんでしたし)、貴重な有難い機会でした。映画自体も期待通りで、とても好きな映画でした」
「映画を観てはいないのですが、察するに、この課題、私が関わってきた多くのハーフの子どもたちが感じてきたことなんだろうな、と思いました。あと限りなくドキュメンタリーという”作られたストーリーでない”ということがリアル感を増しているのだろうと思います。あと映画ができた背景も興味深かったです。監督募集!(笑)。映画、とても楽しみです」
「30代前半の3人が映画を語るとあついこと熱いこと。準備に数年もかけ、その間の情報収集の広さ、集中の高さがびんびん伝わってきました。たくさんたくさん集めると見えてくるものがある。プロデューサーはそれを「芸術」と呼んでいました。作られるまでの準備をもっと聞いてみたいです。映画を観ての第一印象はまるでドキュメンタリー映画。でも脚本がある、でも自然すぎる会話運び。解決されない問題や家族の課題を抱えながら日常は続いていく、、。この映画で最も好きだったのは、最後の場面。そのことをプロデューサーさんと役者さんに伝えたら、喜んでくれて、それを聞いて私もうれしくなりました」
このほかにも、たくさんの質問やコメントがあり、終了時刻になっても、まだ話を聞いていたい、という熱気冷めやらぬうちに、イベントは終了しました。ご来場くださったみなさん、本当にありがとうございました!!!
★映画「僕の帰る場所」は東京・下高井戸シネマ 2/23〜3/01。その他全国で順次公開しています。どうか、この奇跡の映画を、お見逃しなく!!!
【2019年上映情報】
▼東京 下高井戸シネマ 2/23〜3/01
▼愛知 名古屋シネマテーク 1/12〜25
▼北海道 札幌 シアターキノ 1/12〜18
▼鹿児島 ガーデンズシネマ 1/26〜27
▼大阪 シネリーブル梅田 2/15〜29
▼福井 メトロ劇場 2/9〜22
▼石川 金沢シネモンド 2/9〜22
▼富山 ほとり座 2/9〜15
▼埼玉 川越スカラ座 2/23〜3/8
▼栃木 ヒカリ座 4/6〜19
▼佐賀 シアターシエマ 未定
【ソシアメンバーと映画プロデューサーのスペシャル対談!】
行定勲監督が「ドキュメントとフィクションの境界をたどりながら生々しく描いた傑作だ。子どもたちの演技を超えた演技は右に出る映画なし」と絶賛した映画「僕の帰る場所」ー。
プロデューサーの渡邉一孝が、メイキング映像を交えて、現地で行った丁寧なフィールドワークとゼロから映画製作を始めた経緯についてお話しします。
対談では、映画主催NPO代表の佐藤華子と、ミャンマー子ども支援NGOソシア代表の甲野綾子と副代表の大須真希から、知られざるミャンマーの人々の魅力についてご紹介します。
日本に1万人以上いる在日ミャンマー人ですが、彼らの日常について、私たちはほとんど知りません。メイキング映像とトークを通じて「ミャンマーの人々の暮らしや気持ち」「安心して過ごせる場所、帰る場所」に思いを馳せてみませんか?
おいしいミャンマーコーヒーとミルクティーをご用意して、お待ちしています。
【日時】2018年9月24日(月) 14:00 - 16:00
【場所】フミコム(文京区本郷 4-15-14 区民センター地下1階) 都営大江戸線・三田線「春日駅」A2出口直結
【プログラム】
14:00-14:40 メイキング映像上映とプロデューサーによる撮影秘話
14:40-15:10 プロデューサー×映画主催NPO代表×NGOソシアスタッフの対談
15:10-15:50 ミャンマーコーヒーorミルクティー&来場者とおしゃべり
15:50-16:00 予告編上映
※ご希望の方には終了後、映画「僕の帰る場所」の前売り券を販売いたします。
【定員】30名
【参加費】500円(学生100円、こども無料)
【お問合せ】sosia_ngo@yahoo.co.jp
【共催】NGOソシア、NPO法人日本・ミャンマーメディア文化協会
2018年3月21(水・祝)、高田馬場のミャンマー料理レストランルビーにて、15周年チャリティパーティを開催いたしました。雪降る中、ご参加くださった30名超のみなさま、本当にありがとうございました。
私たちの小さな活動を、多くの方にお祝いいただき、心あたたまるパーティとなりました。心より御礼申し上げます。
これからも、ミャンマーへの恩返しを続け、ミャンマーの子どもたち、日本の私たちがともに成長していけるような活動をしていきたいと思います。どうぞ、今後とも、よろしくお願いいたします。
2017年11月12日(日)武蔵野市境で行われたむさしの国際交流まつりに参加しました。多言語紙芝居に参画したほか、ミャンマー雑貨など販売しました。
多言語紙芝居では、はらぺこあおむしを上演。ミャンマー語で、おなかぺこぺこ、を担当しました。
2012年9月30日にミャンマーレストランで設立10周年記念イベントを開催しました。
前半は支援をしている孤児院についてご紹介。インターネット越しに孤児院の先生と子どもたちも参加しました!子どもたちは美容師や看護助手になりたいという夢を語ったり、「好きなことはサッカー」「いつか日本へ行ってみたい」など話してくれました。先生からはソシアの支援で始めた田畑で取れるお米や野菜のお陰で子どもたちの体格が大きくなってきたこと、日本の支援してくれている皆さんへ大変感謝していることなどが伝えられました。
後半はソシアの10年の歩みをスライドとビデオで振り返り。なぜミャンマーだったのか、お互いの助け合いを当たり前に皆がしているという国へ関心を持ったミャンマーとの出会いから、NGOとしての活動を模索していた設立初期の頃、そして農村部の学校支援や都市近郊の孤児院支援の活動まで。そして、“日本とミャンマーがお互いの良いところを学びあう”という方針のもと、ソシアはこれから何を目指していきたいのかという、これからについて。
途中ミャンマー料理を食べながら、皆でソシアにどっぷり浸った時間となりました。参加してくださった方々からは、孤児院の先生や子どもたちと直接話せたことが良かった、ソシアのこれまでの歩みについて知れたことで、今後ミャンマーへ行ったり、国内のイベント会など活動に参加していきたいと思ったという感想をいただきました。
ご参加くださった皆さんどうもありがとうございました。そして、ソシアの活動を応援してくださっている皆さん、本当にどうもありがとうございます。これからの10年、20年、30年とどうぞ宜しくお願いいたします。